ブックライターとして

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書きたいことよりも、読みたいものを書く

書籍にしてもWebサイトにしても、そこに書かれている文章は、読者が読みたいと思うことや読んでためであるべきだと考えています。

書きたいことを書いた文章は、自己満足の世界です。TwitterやfacebookのようなSNSに投稿する分には良いかもしれません。しかし、お金を払って買っていただいた本の中身が著者の自己満足であってはなりません。

読んでくださる人が、この本を読んでより良くなっていただけるか、人生をより輝かしいものにするためのお手伝いをするのが本を作る者の使命だと思います。

企画の色に染まりきる

ブックライターの仕事は、著者様の想いを文章という形にして具現化することです。

「こうした方が面白い」「もっと順番を変えた方がいい」という意見は極力抑え(言うときには言いますが)、あくまで著者の方の意図をくみとることに専念します。

いただいた企画や一緒に建てた企画にしたがって、文章に落とし込むことでいかに面白く読者の方に伝わるように書くことを心がけています。

書いていく中で変えた方が面白くなると気づいたときは、相談させていただき協議するようにしています。

文章を書くのはライターの仕事ですが、本を作るのはチームワークです。

無色透明でいること

本を作るとき、前面に出るのは著者様です。

ライターは著者様の考えを言葉にして連ねることが仕事です。

そしてもうひとつ重要な仕事があります。

著者様から言葉を引き出すこと。

著者様自身が意識していないことも取材する中でお話しをうかがっていると、ふとした瞬間に言葉になって口から出ることがあります。

ひとりで考えていても思考がグルグル回って形にならないことがほとんどです。

でも、話す相手がいてしっかり受け止めてくれる安心感があると、日頃思っていることがスラスラと出てきます。

そして話しながら思考が自ら整理されていきます。

それを文章にすることでさらに整理され、編集者様がブラッシュアップし、著者様が赤ペンチェックし、ライターが修正していく。

このサイクルを何回も廻していくことで、完成度の高い原稿が作られていくわけです。

著者の手になりきって文章を仕上げる

著者様にしても、インターネットを普段から使っていて、PCで文章を書く機会は多いと思います。メールのやりとりをしたり、SNSをしたり、ブログを書いたり。

しかし、ある程度のボリュームの文章はほとんど書く機会はありません。

1000文字~2000文字ぐらいならブログの記事で書いたことはあるかもしれませんが、それが1万字から5万字、はたまた単行本一冊に必要な10万字以上の文章を書いたことはほとんどないと思います。

しかも、書籍の発売日が決まっているとしたら、入稿の締め切りもあり、それに間に合わせるなんてことを考えると、かなりタイトな時間で10万字の原稿を揃えなければなりません。

私の経験からいって、1か月~1か月半で10万字を書くリズムです。

それは普段メールやブログをやっているからといってすぐには難しそうです。

そこでライターがお手伝い!思っていることを話していただき、面白くなりそうなことや読者様が知りたいと思うようなことをヒアリングします。

気持ちよく話していただき、言葉をしっかり受け止めて文書をしたためる。ここが大変なところであると同時に、やりがいのあるところでもあります。

この人をいかに料理するか

著者様にインタビューをしていると、ご本人が意識していない「良さ」が見え隠れすることがあります。

はたから見れば明らかな強みを持っているのに、本人は気づかないでいる。

もしくは淡々と話した内容でも、話した本人は「面白くない話ですみません」とか言っているんだけど、第三者からすればめちゃめちゃ面白い話であったりする。

その人をどういう切り口で紹介し、持っているコンテンツをうまく料理することで、作ろうとしている本は2倍も3倍も面白くなるわけです。

この辺のディレクションは編集者様が中心になってやることかもしれませんが、ライターも取材し原稿を書いていくプロセスで「こうやったら面白くなるんじゃないか」というのが見えるものです。

そこは意見を言い合い、方向性を定め共に構築していくことが大事だと思って執筆しています。

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